スウィングすっべ!

 土曜日の夜、レイトショーで「スウィングガールズ」を観てきた。いやー、これいいよ! ぜんぜん頭使ったりする小難しいところがなくて、ほんとに何にも考えずに見られてアハハと笑ってすっきりできて、みんながちょっと幸せな気分で映画館を出られる、そういう映画。クドくんも私も楽器をやったことがあるのだけれど(楽器の種類は違うけど)、「これ観たら楽器やりたいって思うのかねー」って言いながら観たらやっぱりそうなった。ああいうバンドって楽しいのよねえ。私はブラスバンドでフルートを吹いていて、そのほかにもピアノをやっていたのだけれど(ピアノが専門で)、ブラスで吹く楽しみは自分ひとりでピアノを弾く楽しみとはまったく違っていておもしろかった。何人もの気持ちが一緒になって、音が合わさってハーモニーをつくり出して、それにぞわぞわと鳥肌を立てながら演奏する感じ。あれはひとりで演奏する楽器じゃ絶対に味わえない。ジャズなら、ブラスバンドよりも遊びの要素が多いから、よけいそう思うだろうな。ずっとクラシック畑できて、最近になってジャズを聴きだした私にも、この映画の音楽は馴染み深いもので聴いていて楽しかった。それから馴染み深いといえば、なんといっても方言! 私たちはわかるけど、これを遠く離れた九州の人たちが見てもわかるのかなあと思うところはいくつかあった。渡辺えり子の方言はさすがに上手い。ストーリーの中には、これはありえないでしょー、というところもあるんだけど、それはノリで観てしまえるし、とにかく観ていて楽しいのがいちばん。それから芸が細かいのはパンフレット。それぞれのキャラクターにきちんとエピソードが考えられてあって、買わない人も買った人から見せてもらうと楽しめますよ。佐藤仁美に似ていた貫地谷しほりがすごくよかったなあ。上野樹里の鼻水なんて、もう見られないと思うし。とにかく楽しくて笑えるので、これはおすすめするよー。サントラも楽しい。