血は水よりも濃い?

 「北京ヴァイオリン」を観た。いやー、この映画いいって聞いてはいたけれど、本当によかった。久しぶりに映画観て泣いた。中国の南方に住んでいるチュンとその父リウ。チュンが北京でのコンクールに出られることになり、2人はそろって北京に向かう。チュンの成功を願うリウは、新しい先生を見つけてレッスンを頼み込む。大都会の北京はチュンの心にさざ波を立てるが、チュンのヴァイオリンの音は人々の中心になっていく。チュンは大きなコンクールに出るチャンスをつかんだが、そのためにリウとは別れなくてはならない。チュンはどうするのか。
 もうとにかくこの映画は親子の絆がすごくよく描かれている。そしてそれと絡み合うヴァイオリンの音。クラシック畑にいた人間にとっては馴染みのある曲ばかりで、スコアが頭に浮かぶほど。チュン役をやった男の子は、実際に北京中央音楽学院でヴァイオリンを学んでいるということだ。ヴァイオリンを弾くのが好きで好きでしょうがないんだろうなあ、と思わせる表情で弾くの。リウはとことんお人好しで、何を差し置いても息子がいちばん。小心者だというのもすごくよくわかる。一生懸命育てたんだろうなあ。息子を誇りに思う気持ち。お互いのことをいちばん考えている。いちばん大切なものってなんだろう、って思う。私もヴァイオリン弾いてみたい。「技術は教えられるけど、心は教えられないんだ」という言葉、私も同じことを言われたことがある。楽器は違うけれど自分とだぶるところがあって、よけい身につまされた。すごい映画だ。パンフレット買って帰ってきた。ビデオ出たら絶対買う。サントラもほしい。今年観た映画ナンバーワン。