まっすぐな瞳

 「星になった少年」を、昨日のレイトショーでやっと観てきた。「誰も知らない」に出ていたときの柳楽くんとはちょっと違って、成長したなあというのが目に見えてわかる。でも強い目の力は相変わらずで、それが最大の魅力だなあと思う。映画にはたくさんの動物たちが出てきて、それぞれの動物たちの個性もうまく活かされていて、笑ってしまうところもたくさんあった。何よりも「自分はゾウ使いになる」と決めて単身留学した主人公の気持ちの揺れ動きが、すごく細やかに描かれていた。結果が出ず、現地になじめないうちはくじけそうにもなるし弱気にもなるけれど、いったん流れに乗ってしまえば歯車がうまく噛み合って、どんどんいい方向に行くというのはどんな人でも経験があるはず。その葛藤があったからこそ、日本に帰ってきてからの強い気持ちも説明がつくのだろうなと思った。柳楽くんはもちろん、常盤貴子が思った以上によかった。みんなこの映画に愛情を持って作ったんだろうな、というのが何となくわかる。DVDになったら買って手もとにおいておきたいと思う作品だった。